PFOS/PFOA分析

1.PFOS/PFOAとは

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)/PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は直鎖状に並んだ8個の炭素原子すべてにフッ素原子が結合しており末端にスルホン酸を有する構造がPFOS、カルボン酸を有する構造がPFOAとなります。
PFOS/PFOAは分子構造内に含まれるC-Fの結合は非常に強固であり、光、熱及び生分解を殆ど受けない性質と同時に水にも油にも溶けやすい性質を有するため熱や光に対して耐久性の必要な場面で使用される界面活性剤として利用されていました。

2.PFOS/PFOAの用途

PFOS/PFOAは光や熱に強く分解しにくく水にも油にも溶ける界面活性作用があることからめっき浴のミスト防止剤、塗料のレベリング剤、一部の消火剤、殺虫剤、フォトレジストなどに使用されていました。
PFOAはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、一般的にテフロンの商品名で知られている)の原料として使用されていました。

またPTFEをはじめとするフッ素樹脂には、反応助剤や界面活性剤として利用されていたことから塩類が検出される場合があります。

3.PFOS/PFOAの問題点

炭素とフッ素の結合力は非常に強くPFOS・PFOAはこの結合を多く持っているため、熱や化学物質に対して強く、光を吸収しないなど非常に安定した難分解性の化合物です。更に親水性と疎水性の両方の特性も持っております。しかしその特性が逆に問題となり、環境中に放出されても分解されずに残留し世界中に拡散してしまいました。また水にも油にも溶けるため野生動物や人体にも蓄積していることが報告されています。生体蓄積性があり長期毒性の疑いもあることから、近年国際的な規制対象物質となっております。

4.PFOS/PFOA法規制

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とその塩、及びPFOSF(ペルフルオロオクタンスルホン酸フルオリド)は、ストックホルム条約ではPOPs(残留性の高い有機汚染物質『例えばPCBやダイオキシン、DDT等』)の廃絶を目標とししており、2009年に行なわれたストックホルム条約締約国会議においてこれらの物質は、製造、使用、輸出入が制限されました。
これを受けて国内法である化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(化審法)が改正され、2010年4月より第一種特定化学物質に収載されたためPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とその塩、及びPFOSF(ペルフルオロオクタンスルホン酸フルオリド)は原則的に製造と輸入が禁止されました。
しかし代替が困難であり、人の健康や動植物の生育等に被害を生ずるおそれがないことから、PFOS とその塩は次に示す3用途については例外として使用が認められました。

  • エッチング剤(圧電フィルタ又は無線機器が三メガヘルツ以上の周波数の電波を送受信することを可能とする化合物半導体の製造に使用するものに限る。)の製造
  • 半導体用のレジストの製造
  • 業務用写真フィルムの製造

また2017年現在、日本国内においてPFOAとその塩及びPFOA関連物質に関してはジコホルと共に、POPs条約の規制対象物質に追加するための検討を進めることが決定されました。

5.PFOS/PFOAの分析

樹脂を初めとする工業製品の分析についてはPFOS/PFOAはタンデム型LC-MS(LC-MSMS)で測定を行います。
分析に必要な試料量や測定をご依頼いただく場合については、以下をご覧ください。

必要サンプル量 5g以上
標準分析納期 2週間
標準定量下限値 1mg/kg (1ppm)
注意事項 PTFE等のフッ素系樹脂にサンプルを触れさせることは避けて下さい。

なおPFOS/PFOAはフッ素を化合物中に含んでいることから弊社では製品中のフッ素を燃焼法により定量を行なうことでスクリーニング分析も行っています。
その場合の定量下限値はフッ素として50mg/kgとなります。
燃焼法に関する技術情報はこちらです。
お問い合わせは弊社技術営業課まで

一般的にRoHS分析のスクリーニングに使用されるエネルギー分散型のXRF(蛍光X線分析装置)ではフッ素は測定できないためXRFによるスクリーニングを行うことは出来ません。

6.PEFOS/PFOAの特性

PFOS

分子式 C8HF17SO3
構造式
写真
CAS No. 1763-23-1
分子量 500.13
形状 白色固体(室温)
融点 約90℃
水溶解度 570mg/L
用途 泡消火剤、撥水剤、紙の表面処理剤

PFOA

分子式 C8HF15O2
構造式
写真
CAS No. 335-67-1
分子量 414.07
形状 固体〜透明液体(室温)
融点 37~50℃
水溶解度 >1g/L
用途 樹脂改質剤、合成原料